献上柿

~歴史と伝統をいまに紡ぐ~

献上柿のはじまり

 昭和3年のこと、会津藩にゆかりのある松平勢津子さま(淳宮さま)が秩父宮雍仁親王さまとご成婚されたことを祝い、当時の生産農家が共同で天皇家とそれぞれの宮家に、会津の銘果「会津みしらず柿」を献上したことが『献上柿』の起こりとされており、その味と伝統が現在まで受け継がれています。

 「会津みしらず柿」は会津の名産として広い地域で栽培されていますが、そのなかでも献上柿として作られている柿は、会津若松市門田町もんでんまち北御山きたおやま地区において、当農園を含む9の限られた農家のみとなっており、限られた農家が今なお誇りをもって、北御山生柿生産出荷組合として伝統を紡いでいます。

献上柿選定会場の画像 献上柿をさらしで磨く県職員の画像 献上柿選定会場と県職員の画像 献上柿の箱と知事の献上書の画像 献上柿の箱の画像

 現在は、毎年福島県を通じて知事が献上する形で皇室・宮家へと納められてれています。
 毎年11月中旬になると、組合員がそれぞれ選りすぐった柿を北御山集落の集会所へと持ち寄ります。そこからさらに吟味して選定されたものが、晴れて献上柿となります。
 献上される実は、紅白の垂れ幕に囲まれた会場で、華々しくも厳かな雰囲気のなか福島県職員の方々が一つ一つ丹精を込めてさらし・・・で磨き、和紙でくるんだものを箱に並べていきます。こうしてできあがった献上柿は、知事の献上書とともに皇室へと贈られます。
 この模様は、毎年会津の秋の風物詩として新聞やテレビの取材が押し寄せ、紙面やローカルニュースなどに華を添えるとともに、みしらず柿の最盛期を一段と盛り立ててくれます。
 このように、本場「御山の献上柿」は会津を象徴する秋の味覚として、今なお皆様に広く愛されています。

献上柿選定会場の画像